ピエール=オリヴィエ・ボノーム(旧ピュズラ・ボノーム)
現オーナーであるボノームは2004年、弱冠18歳の時にル・クロ・デュ・テュ=ブッフの収穫に参加したのをきっかけにワインの世界に入る。その時はまだ学生で、ワインの知識もほとんどなく、収穫に参加した理由もただお金を稼ぐことが目的だった。だが、作業の飲み込みが早く判断力があり、おまけに力持ちであった彼は、ティエリにその才能を見いだされ、ティエリから共同経営者を前提にネゴシアンにスカウトされる。快諾したボノームは2006年から2008年までアンボワーズのワイン学校に通いながらティエリのネゴシアンで経験を積む。2009年、彼は3 haの畑を所有し、それを機にティエリもネゴシアンの名前を「ティエリ・ピュズラ」から「ピュズラ=ボノーム」に変更し共同経営をスタートさせる。2011年、ボノームはさらに3 haの畑を所有し徐々に拡大を図る。同時に、ティエリはこの頃からボノームにネゴシアンの仕事を全て任せ、彼自身はル・クロ・デュ・テュ=ブッフに専念し始める。2014年末、ティエリが正式にネゴシアン事業から離れ、ピエール=オリヴィエ・ボノームが100%経営を引継ぎ現在に至る。
以上輸入元資料より抜粋
VdF ヴァンクゥール・ヴァンキュ・ルージュ[2023] 輸入元「ヴァンクゥール」の依頼で日本向けにだけ造っているシリーズの赤。今回は前年同様シェール川沿いの石灰土壌のガメイをベースに、収量が多く採れた自社畑「シェヴェルニー」のピノ・ノワールがアッサンブラージュされています。2023年のガメイはショウジョウバエ「スズキ」の猛威に遭い、ボノーム曰く「スズキによりお酢になったブドウを厳格に選果するため収穫者30人を総動員した」とのこと。その結果、ヴァンクゥール赤が一番コスト高になってしまったそうです。出来上がったワインは、ロワールのガメイらしいコクとピノ・ノワールの繊細な果実味のハーモニーが絶妙な野趣味溢れる味わいに仕上がっています。酒質がエレガントでありながらも構成がしっかりとしているので、今飲むのであれば鴨などのジビエ料理、もしくは数年熟成させても面白そうなポテンシャルのあるワインです。
750ml 税込2860円 |
■ 生産地:フランス、ロワール地方
■ 味のタイプ :赤・ミディアムボディ
■ アルコール度:12,5%
■ ブドウ品種 :ガメイ80%、ピノ・ノワール20%
■ 平均樹齢 :40年
■ 平均年間生産量 : 本
VdF ヴァンクゥール・ヴァンキュ・ブラン[2023] 輸入元「ヴァンクゥール」の依頼で日本向けにだけ造っているシリーズの白。2023年は収穫直前にショウジョウバエの「スズキ」が猛威を振るった年で、ボノーム曰く「白は特にシュナンがスズキの標的に遭い厳格な選果が必要だった」とのこと。ちなみに今回「ラ・テニエール」のシュナンは、その品質に達しなかったという理由でこのキュヴェにアッサンブラージュされています。醸造はフレッシュさを生かすために樽は使用せず、全てタンクで発酵熟成。出来上がったワインは、ロワールの白らしい生き生きとしたフレッシュな辛口。昆布出汁のような澄んだ旨味とほんのりビターなミネラルとのハーモニーが絶妙で、清涼感のある味わいは魚介料理全般に良く合いそうな仕上がりです。
750ml 税込2860円 |
■ 生産地:フランス、ロワール地方
■ 味のタイプ :白・辛口
■ アルコール度:12%
■ ブドウ品種 :ムニュ・ピノ70%、シュナン・ブラン30%
■ 平均樹齢 :46年
■ 平均年間生産量 : 本
VdF ヴァンクゥール・ロゼ[2022] 輸入元「ヴァンクゥール」の依頼で日本向けにだけ造っているシリーズのロゼ。なんと2015年ヴィンテージ以来7年ぶりのリリース!買いブドウはアリゴテと同じ「ブリュノ・ルディ」からで、ボノーム曰く「アリゴテの収穫の際たまたま隣の小さな畑のカベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニョンを試食し、青さのない酸の立ったブドウの味わいからロゼワインがピンと頭に浮かび、急きょアリゴテと一緒に購入することを決めた」とのこと。今回、彼がロゼをつくるにあたりこだわった点は、カベルネ特有の青さが消えるまで収穫をしっかりと待ったこと、そしてフレッシュさを出すために発酵ガスを少しワインに残したこと。結果出来上がったワインは、黄色いバラやピンクグレープフルーツ等カベルネとは思えない爽やかな香りと、アルコールのボリュームを感じさせないヴィヴィッドでフルーティーな味わいに仕上がっています。まさに即興で買ったブドウでこんなに美味しく洗練されたロゼを造り上げるボノームは、やはりセンスがあるとしか言いようがありません。
750ml 税込2640円 |
■ 生産地:フランス、ロワール地方
■ 味のタイプ :ロゼ・辛口
■ アルコール度:13,57%
■ ブドウ品種 :カベルネ・フラン50%、カベルネ・ソーヴィニョン50%
■ 平均樹齢 :40年
■ 平均年間生産量 : 本
VdF ロルモー・デ・ドゥ・クロワ[2023] ワイン名は昔からある区画の名前で、ボノームの自社畑のブドウ100%。2023年は収穫前にショウジョウバエのスズキが猛威を振るった為、ブドウが完熟する前に早摘みし厳格な選果が必要でした。前回の2020年は半分ファイバータンク、半分アンフォラを使いマセラシオンで仕込みましたが、今回は潜在アルコール度数11%のライトなブドウ果汁を生かすためにマセラシオンはせず、ファイバータンクを用いて100%ダイレクトプレスのフレッシュなワインに仕上げました。出来上がったワインは瑞々しくスレンダーで、旨味のある液体と酸がスッと五臓六腑に染み入るような優しい味わい。まさに透明感のあるミネラルエキスを飲んでいるようなクリスタリーなワインです。
※SO2無添加!ノンフィルター。 750ml 税込4070円 |
■ 生産地:フランス、ロワール地方
■ 味のタイプ :白・辛口
■ アルコール度:11%
■ ブドウ品種 :シュナン・ブラン100%
■ 平均樹齢 :44年
■ 平均年間生産量 : 本
VdF キュヴェ蔵 ブラン[2023] 元々このネゴシアンの創業者だった「ティエリー・ピュズラ」が日本の酒蔵を訪れた際、日本酒の「あらばしり」にインスピレーションを受け、造り始めた新酒と通常のワインの中間的なキュヴェ。2023年はショウジョウバエの「スズキ」が久々に蔓延してしまった年ですが、幸い「蔵」の白はスズキが大量発生する前に収穫したので被害は少なめ(スズキに刺されてしまったブドウは、ヴィネガー臭を放ち腐敗してしまうので房ごと廃棄)。選果を厳格に行ない最終的には満足の行く収量を確保できましたが、ボノーム曰く「もしスズキの被害がなかったら大豊作で収量は60hL/ha位に達していた」とのこと。醸造は酵母の働きが弱く、発酵の途中に滞ってしまい4g/Lだけ糖が残った為、瓶内二次発酵が起きるのを防ぐべくフィルターをかけ、20㎎/LのSO2を添加。ワインは収穫したブドウのピュアなエキスをそのまま瓶に詰めたような、フルーティーで飲みやすい味わいに仕上がっています。ハーブのようなソーヴィニョンの苦みと酸味がほのかな甘みに緩和されるハーモニーが超絶妙で、多くの方に好んでもらえる味わいであること間違いなし!
750ml |
■ 生産地:フランス、ロワール地方
■ 味のタイプ :白・辛口
■ アルコール度:12%
■ ブドウ品種 :ソーヴィニョン・ブラン100%
■ 平均樹齢 :45年
■ 平均年間生産量 : 本
VdF キュヴェ蔵 ルージュ[2023] 元々このネゴシアンの創業者だった「ティエリー・ピュズラ」が日本の酒蔵を訪れた際、日本酒の「あらばしり」にインスピレーションを受け造り始めた、新酒と通常のワインの中間的なキュヴェ。2023年は2014年に次いでショウジョウバエの「スズキ」が蔓延した年。「スズキ」は色の付いたブドウを好む為、白よりも赤のブドウの方が蔓延のスピードは速く、蔵の赤はその影響により厳格なブドウの選果に時間を要し、予定より5日遅れの収穫となってしまったとのこと。結果、ライトなヴァン・ド・ソワフに仕上げるつもりが、アルコール度数13.5%もある果実味のしっかりと凝縮した飲みごたえのあるワインが出来上がりました。醸造はフレッシュさを残すために樽は使用せず、100%ステンレスタンクで仕込みました。出来上がったワインは、果実味がリッチでコクのある濃厚な味わいに仕上がった一方で、ボディー全体を支える酸があるおかげで、飲み心地はスムーズで飲み疲れしません。コンセプトは早飲みワインですが、熟成も十分可能なポテンシャルのあるワイン!
750ml |
■ 生産地:フランス、ロワール地方
■ 味のタイプ :赤・ミディアムボディ
■ アルコール度:13,5%
■ ブドウ品種 :ガメイ100%
■ 平均樹齢 :40年
■ 平均年間生産量 : 本
VdF テゼ[2022] ブドウはビオディナミブドウ栽培者アランコクトーからで、畑が真南の斜面にあり日照量に恵まれることから、ボノームのワインの中でもブドウの熟しが一番早いキュヴェ「テゼ」。2021年は霜の被害により収量が殆ど無く今回2年ぶりのリリースですが、いつもよりも清涼感のある優しいワインに仕上がっています。2022年は歴史的な干ばつと日照りに見舞われた年で、水不足により途中までブドウはレーズンのようなパスリヤージュ状態。ボノームも当初は甘口の「サヨナラ」に仕立てようと考えていましたが、収穫直前に雨が降りブドウは一気に水分を吸い上げ、高かった糖分も良い塩梅で希釈された為、通常通り「テゼ」を仕込みました。醸造はブドウの窒素不足が原因で、最後の発酵が完全に終わらず4g/Lの残糖。出来上がったワインは、アルコール度数13.5%に加え残糖もあるので、試飲する前はボリュームのあるパワフルなワインを想像しますが、実際は正反対で果実味がピュアで優しく、アルコールの重さをほとんど感じさせない涼しさがあります。ボノーム曰く「日照りにより夏の間成熟にブレーキがかかったことでブドウにしっかりと酸が残り、結果的にその酸が残糖とアルコールの絶妙なバランスを取る大きな役割を果たした」とのこと。余韻を締めるチョーキーなミネラルも心地よく、和食などの素材を生かした料理にピッタリ!
750ml 税込4070円 |
■ 生産地:フランス、ロワール地方
■ 味のタイプ :白・辛口
■ アルコール度:13,5%
■ ブドウ品種 :ソーヴィニョン・ブラン100%
■ 平均樹齢 :36年
■ 平均年間生産量 : 本
VdF サヨナラ パ・プール・トゥ・ルモンド[2019] ワイン名「さよなら」(パ・プール・トゥル・モンド)は「これは世界中どこにでもある訳ではない」という意味があり、買いブドウはビオ生産者「フランソワ=サン・レジェール」から。前回2011年は「テゼ」のブドウで仕込んだのに対し、今回はテゼの隣村ノワイエ・シュール・シェール(テゼと同じくシェール川の右岸)のブドウで仕込んでいます。ノワイエ・シュール・シェールも畑が真南に位置することからブドウの熟しが他の畑よりも早く、2019年は特に猛暑と日照りによりブドウがパスリヤージュ状態で、わざと収穫を遅らせ最大限に糖度を上げてから遅摘み。フレッシュさを残すために半分はタンクで仕込み、もう半分は味わいに奥行きを与えるために樽で仕込みました。出来上がったワインは残糖が40g/Lありながらアルコール度数も14%と高く、再発酵による噴き上がりのリスクは少ないものの、万が一のためコルクの上に王冠も装着。味わい的にはネクターの様なとろける甘さとアルコールのボリューム、さらに洗練されたミネラルがきれいに融合し、SO2無添加の柔らかさも相まって、自然に身体に染み入るような最高にまろやかなワインに仕上がっています。甘口ワインが苦手と思われる方にも是非チャレンジして頂きたい魅力的なワインです。
750ml |
■ 生産地:フランス、ロワール地方
■ 味のタイプ :白・甘口
■ アルコール度:14%
■ ブドウ品種 :ソーヴィニョン・ブラン100%
■ 平均樹齢 :40年
■ 平均年間生産量 : 本
VdF ラ・テニエール ピノ・ドニス[2022] 買いブドウはビオディナミ栽培者「アラン・クルトー」とビオ生産者「シモン・タルデュー」から。2022年は歴史的な日照りと干ばつの年で、8月中旬までブドウは極度の水不足の状態でしたが、収穫直前と収穫中に降った雨によりブドウは一気に果汁を蓄え、直前まで13%あった潜在アルコール度数も最終的には11.5%に落ち着きました。醸造はフルーティーに仕上げるために木桶タンクを使わず、代わりにファイバータンクを使用して全房のブドウを完全密閉状態にし、マセラシオン・カルボニックで仕上げました。出来上がったワインは、まるで赤い果実のエキスだけを抽出したような艶やかな瑞々しさがあり、とてもエレガント。ピュアな果実味と骨格を形成するミネラル、タンニンとのバランスも良く、染み入るようなエキスが心地よい、まさに薄旨赤ファンのためにあるようなスレンダーな魅力を兼ね備えたワインです。 750ml 税込4840円 |
■ 生産地:フランス、ロワール地方
■ 味のタイプ :赤・ミディアムボディ
■ アルコール度:11,43%
■ ブドウ品種 :ピノ・ドニス100%
■ 平均樹齢 :27年
■ 平均年間生産量 : 本
VdF ピノ・ノワール[2021] 今や生産者の間でも、トゥーレーヌのピノと言えばボノームと一番に取り上げられる程、彼の顔となりつつあるトップキュヴェのピノ・ノワール。2022年は太陽に恵まれた年で、日照りによる水不足にもかかわらず、途中までブドウの房に恵まれ豊作が期待されました。しかし、収穫直前に鹿と鳥にブドウを食べられ、最終的に23hL/haと収量が半減…。醸造はいつものように全房のマセラシオン・カルボニックで、フルーティーに仕上げています。また、この年は動物にブドウの実を食べられた分、房に対する梗の割合が多かったので、梗のエグミを出さないようマセラシオンを6日間と早めに切り上げました。出来上がったワインは、いつものボノームのピノらしい、果実味が明るくジューシーで安定感のある味わいに仕上がっています。ピュアなエキスが溶け込む滋味豊かなミネラルとキメの細かいタンニンとのバランスも良く、薄旨なのにしっかりと味が乗っていて飲みごたえあり。ミレジム的には決して簡単な年ではなかったにもかかわらず、きっちりと自分のスタイルにワインをまとめ上げるボノームのセンスに脱帽です。
750ml 税込6600円 |
■ 生産地:フランス、ロワール地方
■ 味のタイプ :赤・ミディアムボディ
■ アルコール度:12,31%
■ ブドウ品種 :ピノ・ノワール100%
■ 平均樹齢 :35~40年
■ 平均年間生産量 : 本
VdF ラ・テニエール・ブラン[2022] ブドウはムニュピノがボノームの自社畑、シュナンがビオの栽培者「フランソワ・サン=レジェール」の買いブドウからで、かつてない豊作に恵まれた「ラ・テニエール」。他の白が軒並みアルコール度数13%を超える中、こちらは収穫直前に雨が降ったことで度数が
12.5%以下まで下がり、最終的にロワールらしい瑞々しくピュアなワインに仕上がりました。ムニュピノから来るニワトコの花の香りにうっすら古樽の香りが重なり、透明感のあるミネラルが優しく口に広がる感じは、どこか昔の「ティエリ・ピュズラ」のワインを彷彿させる懐かしさがあります。
750ml |
■ 生産地:フランス、ロワール地方
■ 味のタイプ :白・辛口
■ アルコール度:12,37%
■ ブドウ品種 :ムニュピノ70%、シュナンブラン30%
■ 平均樹齢 :49~54年
■ 平均年間生産量 : 本
VdF アリゴテ[2022] 本邦初リリースとなるアリゴテは、2018年から買いブドウ生産者としてお世話になっている「ブリュノ・レディス」との4年の交渉の末ようやく手に入れることができたブドウ。ボノーム曰く「昨今の気候変動の中温暖化に対応する品種として、酸のあるアリゴテはブリュノ・レディスの所有するどの品種よりも興味があった」とのこと。出来上がったワインはアルコール度数が13.6%もあり、酸のあるアリゴテとは思えないボリューム感があります。それでいて柱となるチョーキーなミネラルと酸が全体にきれいに溶け込んでいて、重心が低くワインにまとまりがあります。ブラインドだと当たり年のブルゴーニュのボーヌ・ブランを彷彿させるパワフルさと繊細さを兼ね備えた逸品です。
750ml |
■ 生産地:フランス、ロワール地方
■ 味のタイプ :白・辛口
■ アルコール度:13,61%
■ ブドウ品種 :アリゴテ100%
■ 平均樹齢 :43年
■ 平均年間生産量 : 本
VdF グルナッシュ[2021] 2021年は春の遅霜とミルデューにより、トゥーレーヌの買いブドウも自社ブドウも凶作だった為、急遽ルーションの友人である「ジャン・フランソワ・ニック」に依頼し、彼の友人のブドウ栽培者を紹介してもらいました。ブドウはボノームとティエリ・ピュズラのチームが直接現地に向かい収穫。ケースに入れたブドウを冷蔵のトラ
ックで運び、醸造はドメーヌで全て行いました。1回きりを前提に仕込んだワインなので、ワイン名もシンプルに「グルナッシュ」と名付けました。出来上がったワインは、アルコール度数が14%もあるのに驚くほど果実味がエレガントで、余韻を締めるスパイシーなミネラルと優しいタンニンの収斂味が超心地よい味わい。さすが
は醸造センスの高いボノームがつくり上げるだけあり、南のグルナッシュでもボノーム節が余すことなく出ているところが面白いワインです。
750ml |
■ 生産地:フランス、ラングドック&ルーション地方
■ 味のタイプ :赤・ミディアムボディ
■ アルコール度:14%
■ ブドウ品種 :グルナッシュ100%
■ 平均樹齢 :40年
■ 平均年間生産量 : 本
VdF ヴェルシュニー・ルージュ[2020] ボノームのピノの畑はシュヴェルニー地区にあるので、実際は「ACシュヴェルニー」ですが、法律上ガメイがアッサンブラージュされていないとAOCを名乗れない為、ピノ・ノワール100%で仕込んだ今回も皮肉にも「VdF ヴェルシュニー」のままです。前回同様100%ボノームのピノ・ノワールで仕込んでいて、2020年は収穫前の雨のおかげで豊作に恵まれ
ました。ボノーム曰く「当初はあと1週間ブドウの成熟を待ってから収穫する予定だったが、イノシシや鳥などがブ ドウを荒らし始めたため、被害が深刻になる前に早めに取り込んだ。醸造は梗のエグミが出すぎないようマセラシオンを早めに切り上げ、みずみずしくチャーミングなワインに仕上げた!」とのこと。味わいは優しく染み入るような旨味と、余韻のタンニンの締まりが心地よい薄ウマなワインで、ピノの艶やかな香りがグラスを支配します。今飲んでも十分美味しいですが、あと数年寝かせると酸もタンニンもこなれて、さらに艶やかな姿を見せそうな魅力的なワイン。ちなみに彼曰く「ワインは薄ウマだがあえてカラフをすることをオススメ」とのこと。
750ml |
■ 生産地:フランス、ロワール地方
■ 味のタイプ :赤・ミディアムボディ
■ アルコール度:12%
■ ブドウ品種 :ピノ・ノワール100%
■ 平均樹齢 :43年
■ 平均年間生産量 : 本
VdFブラン メリエ[2018] 今回初リリースとなる「メリエ」。「メリエ・サン・フランソワ」という品種はロワール・エ・シェール県では希少品種で、過去に「ティエリ・ピュズラ」や「カプリアード」がその酸度を活かしペティアンの補助品種として使用していたくらいで、100%スティルワインはほとんど見かけることがありません。ボノーム曰く「本来収量の取れる品種だが、ヴィエーユ・ヴィーニュのため収量が制限され、よりワインのポテンシャルに期待ができるためチャレンジした」そうだ。ちなみに、メリエ・サン・フランソワは「Chenin
Blanc」と「Gouais Blanc」を掛け合わせた品種で特徴的にはムニュピ ノに似ているとのこと。主にアルマニャックのブドウ品種として認知されているようです。ワインはレモン、ニワトコの花、蜂蜜、ヨーグルト、ピクルス、マッチの香り。ワインのボリューム、ミネラル感や旨味は控えめながら、その分シャープで鋭い酸が際立って感じられ、フィニッシュに少しの粘性と香ばしい苦みが感じられます。
750ml |
■ 生産地:フランス、ロワール地方
■ 味のタイプ :白・辛口
■ アルコール度:12%
■ ブドウ品種 :メリエ・サンフランソワ100%
■ 平均樹齢 :50年
■ 平均年間生産量 : 本
お一人様1本限定 VdF テュフォー[2018] ワイン名は「Tuffau(白亜質の石灰岩)」と、ヴヴレーらしいキャラクターのワインを認可しなかったAOCに対し、「Tu Faute(間違っている!)」の意味が込められています。買いブドウはビオ生産者タンギー・ペローからで、SO2は熟成後のスーティラージュ時に20㎎/L添加し、ノンフィルターで瓶詰。2018年はミルデューの被害により収量が4割減でしたが、収穫したブドウは高品質でした。只、ブドウに窒素が足りなかったため発酵が思うように進まず、結局完全発酵まで14ヶ月の歳月を要しました。しかし、出来上がったワインは醸造面の欠点は一切なく奥深い味わい。ピュアで透明感のあるエキスの中にしっかりとした骨格があり、アフターに連れてスパイシーな力強さを感じます。そして、口の中でキュッキュと軋むような純度の高い石灰質のチョーキーなミネラル、まさにヴヴレーを代表する白亜紀の石灰岩「テュフォー」が舌にまとわりつきます。18ヶ月の熟成により余計な肉が削ぎ落され、テロワールがダイレクトに反映された素晴らしい味わいのワインに仕上がっています。
750ml |
■ 生産地:フランス、ロワール地方
■ 味のタイプ :白・辛口
■ アルコール度:14%
■ ブドウ品種 :シュナン・ブラン100%
■ 平均樹齢 :40年
■ 平均年間生産量 : 本
お一人様1本限定 ペティアン・ナチュレル・ブラン[2018] 2012年にティエリ・ピュズラと一緒にカベルネ・フランでペティアン・ナチュレル・ロゼを造って以来6年ぶり、しかもボノーム単独では初めて仕上げるペティアン。彼曰く「前々からペティアンを造ろうとは思っていたが、それに見合うブドウが中々手に入らなかったので、一時保留にしていた」とのこと。そして今回収穫前にブドウ生産者の「二コラ・ウダール」から「テゼ」の区画の隣にある彼の一等地の畑に植えられた樹齢20年のシュナン・ブランを買わないかとの提案があり、ペティアン向けに即決したそうです。味わいに深みを与えるために一次発酵は古樽で行い、口に入れたとたん日本酒の麹のような香ばしい旨味の溶け込んだ白い果実のふくよかなエキスが繊細な泡とともに広がり、その後シャープに洗練された酸と石灰質土壌のシュナン特有のチョーキーなミネラルが余韻を上品に締めます。ほんのりと甘みがあるので一見飲みやすいですが、よくよく吟味すると実際味わいは複雑で奥深く、飲み出したら止まらなくなるペティアン!
750ml |
■ 生産地:フランス、ロワール地方
■ 味のタイプ :泡白・辛口
■ アルコール度:12%
■ ブドウ品種 :シュナンブラン100%
■ 平均樹齢 :20年
■ 平均年間生産量 : 本
アンフォール・アン・フュ[2016] ボノームが仕込む初のアンフォラワイン。今回は「Tinaja」と呼ばれるスペイン産のアンフォラを使用。2016年は霜で大きな減収に見舞われたテゼのブドウを使い、スキンコンタクトはせず、プレスしたジュースを直接アンフォラに入れ2年間発酵熟成。香りはパッションフルーツやジャスミンティーの華やかさがあり、ワイン自体に落ち着きがあり優しい口当たりですが、噛めば噛むほど後からジワジワっと複雑な旨味が増してくるクセになりそうな味わい。ちなみに、ワイン名「Amphore
en Fut」は「樽熟じゃないよ!」という意味でエチケットの樽に×が付いていますが、さらに深堀すると、「Amphore」の頭文字「Am」の韻を踏んでいる「En」は、発音的に否定の意味の「In、Im」と同じこともあり、「In(Im)fut(樽じゃないよ)」というメタファーも隠されています。
750ml |
■ 生産地:フランス、ロワール地方
■ 味のタイプ :白・辛口
■ アルコール度:13%
■ ブドウ品種 :ソーヴィニョン・ブラン100%
■ 平均樹齢 :30年
■ 平均年間生産量 : 本
VdF シャルドネ[2017] 初リリース!ボノーム曰く「ロワール全土が霜の影響でビオのブドウの確保が難しい中、知人を通じてシャルドネを買うチャンスが訪れたが、それでも収量はたった10hL/haしかなかった…」とのこと。ワインの味わいはニュートラルながら柔らかなエキスとミネラルのバランスが絶妙で、ハチミツやネクターのフレーバーが優しく鼻に抜けます。今後仕込むかは未定のようなので飲み逃しなく!
750ml |
■ 生産地:フランス、ロワール地方
■ 味のタイプ :白・辛口
■ アルコール度:13%
■ ブドウ品種 :シャルドネ100%
■ 平均樹齢 :50年
■ 平均年間生産量 : 本
VdF PF(ペー・エフ)[2014] 2014年はプイィ・フュメにとって当たり年で、9月に入り夜の気温がぐっと下がり昼夜の寒暖差ができたおかげで、酸の乗りの良いフェノールの熟した質の高いブドウを取り込むことができました。樽熟はたっぷり3年で、アルコール度数14%でも酸がしっかりとあるので重たさは感じず、むしろ濃厚な味わいの中に涼しさすら感じられる本当に質の高いワインです。今回もアレクサンドル・バンとのコラボですが、AOC「プイィ・フュメ(Pouilly-Fumé)」ではなく、頭文字を取って「ペー・エフ(PF)」と名付けています。
750ml |
■ 生産地:フランス、ロワール地方
■ 味のタイプ :白・辛口
■ アルコール度:14%
■ ブドウ品種 :ソーヴィニョン・ブラン100%
■ 平均樹齢 :17年
■ 平均年間生産量 : 本
ペティアン・ナチュレル ロゼ[2012] 前年ガメイで試験的にペティアンを仕込むも還元臭が強く味わいに残ってしまったため、今回は品種をカベルネフランに変えて再挑戦。買いブドウはビオ生産者フランク・リオとオリビエ・ボノームの自社畑からで、2回目にして見事納得の行くペティアンに仕上がりました。残糖は10g/lですが、キレのあるしっかりとした酸と泡のあるおかげで、味わいはむしろブリュットで洗練されでいます。SO2はデゴルジュマン後に1g、ロゼの色はセニエではなく直接プレスによるものです。スモモ、黄桃、パイナップル、タイム、鉱物的なミネラルの香り。ワインはフレッシュかつふくよかで、やさしく軽快に弾ける泡と細く真っ直ぐな酸、繊細なミネラルがほのかなフルーツの甘味と融合します。
750ml |
■ 生産地:フランス、ロワール地方
■ 味のタイプ :泡ロゼ・辛口
■ アルコール度:12%
■ ブドウ品種 :カベルネ・フラン100%
■ 平均樹齢 :30年
■ 平均年間生産量 : 本
ヴヴレー・セック[2010] 2010年のヴヴレーは当たり年!買いブドウはビオ生産者セバスチャン・ブリュノからで、ワインは濃厚かつボリュームがあり、構成がしっかりとしているので味わいがこなれるまで樽熟に2年を要しています(残糖3gでノンフィルターで瓶詰め)。洋ナシ、リュバーブ、スイカズラ、カシューナッツの香り。味わいが濃厚かつ立体的で勢いがあり、刺すような小気味よい酸を甘みにも似たミネラルエキスが包み込み、余韻にナッツの風味が長く残ります。
750ml |
■ 生産地:フランス、ロワール地方
■ 味のタイプ :白・辛口
■ アルコール度:13%
■ ブドウ品種 :シュナン・ブラン100%
■ 平均樹齢 :41年
■ 平均年間生産量 : 本
VdF KO ロゼ[2011] 収穫日は9月20日。収量は35hl/ha。残糖0g!フィルター有!SO2は瓶詰め時に1g。買いブドウはブリュノ・アリオンから!サクランボのシロップ漬けや黄桃、アプリコット、白粉の香り。ワインはピュアかつ口当たりがまろやかで、きめ細かなミネラルの旨味とじわっとせり上がるように広がる酸がバラの風味を伴い余韻に抜ける!
750ml |
■ 生産地:フランス、ロワール地方
■ 味のタイプ :ロゼ・辛口
■ アルコール度:12,5%
■ ブドウ品種 :コー70%、ガメイ20%、カベルネ・フラン10%
■ 平均樹齢 :30年
■ 平均年間生産量 : 本
VdTロモランタン[NV(2010)] 収穫日は10月12日。収量は15hl/haで残糖は3g以下!ブドウは100%ティエリの自社畑から!100年以上を超えたブドウの樹は多くの収量を見込めないため09年からフランピエ(自根)での植え替えを開始!ノンフィルター!スモモや熟したバナナ、カシューナッツ、ミネラルの香り。ワインはシャープで勢いがあり、凝縮した旨味を引き締めるように鋭い酸とミネラルがアフターを支配する!
750ml |
■ 生産地:フランス、ロワール地方
■ 味のタイプ :白・辛口
■ アルコール度:13%
■ ブドウ品種 :ロモランタン100%
■ 平均樹齢 :70年
■ 平均年間生産量 : 本
お一人様1本限定 トゥーレーヌ・ピノノワール キュベ・スペシャル[2008] 2008年は、ティエリも思わず唸った納得のピノ!買いブドウはマックスムニエから。DRC(ロマネコンティ社)の4年樽のみで熟成させたスペシャルキュヴェ!ミュールやグリオット、杉のような香りもある。ふくよかな果実味と上品な酸がとてもチャーミングで調和がとれている。タンニンもしなやかで絹のように滑らかな旨味がある! 750ml |
■ 生産地:フランス、ロワール地方
■ 味のタイプ :赤・ミディアムボディ
■ アルコール度:12%
■ ブドウ品種 :ピノノワール100%
■ 平均樹齢 :50年
■ 平均年間生産量 : 本
VdTル・ルージュ・エ・ミ[NV(2008)] キュヴェ名「Le rouge est mis」は映画のタイトルから取った。名前の由来は、主演のジャン・ガバンが大のピノムニエ好きだったのをヒントにして名付けたそうだ!グルナディンやグリオット、ローリエの香り。果実味とミネラルが豊かでとても洗練された味わい。後から伸びるスマートな酸がワインの骨格を支える。 750ml |
■ 生産地:フランス、ロワール地方
■ 味のタイプ :赤・ミディアムボディ
■ アルコール度:12%
■ ブドウ品種 :ピノムニエ100%
■ 平均樹齢 :15年
■ 平均年間生産量 : 本
シュヴェルニー・ブラン[2006] 買いブドウはミッシェル・ケニオ。06年のブレンド比はソービニヨンブラン70%、ムニュピノ30%(前年はソービニヨン60%、ムニュピノ40%)ドライパイナップルやブリオッシュ、ミントの香り。味わいはミネラリィで旨味があり、後半はワインのボリュームを引き立てながら酸味がバランスよく伸びてくる。
750ml |
■ 生産地:フランス、ロワール地方
■ 味のタイプ :白・辛口
■ アルコール度:13,5%
■ ブドウ品種 :ソーヴィニョンブラン70%、ムニュ・ピノ30%
■ 平均樹齢 :20~40年
■ 平均年間生産量 : 本