ヴォギュエ
記録にヴォギュエの名が現れるのは1700年代の半ばだが、ルーツはそれ以前に遡り、ボーヌのオテル・デューを建立したニコラ・ロランと同時代までたどることができる。現在の所有者はエリザベート・ド・ラドゥセット――先代ジョルジュのひとり娘で、ロワール地方のラドゥセット社やシャブリのレニャール社を経営するパトリックの伯父、バロン・ベルトラン・ド・ラドゥセットに嫁いだ――。ドメーヌを継ぐと同時にスタッフも刷新し、以前のつくり手、アラン・ルーミエ――ドメーヌ・ジョルジュ・ルーミエの当主クリストフの父ジャン=マリの兄で、息子はエルヴェ・ルーミエを運営――から現在の醸造長であるフランソワ・ミエを中心のチームに替えた。今年でちょうど20年が経過したが、評価は以前にも増して高まるばかりで、ワインはその姿を目にするのも儘ならないという状態が続いている。
ミエのモットーはぶどうの声に耳を澄ますということ。そのため四角四面の決まりきったやり方ではなく、畑での作業からつくりまで、その年毎に即したフレキシブルかつ細心の注意をもって臨む。耕作面では基本的に化学肥料、農薬の類は用いず、こまめな手入れをする。芽掻き、ヴァンダンジュ・ヴェールト――ヴィンテージによる――を付し最適な房の量に調節。基本的に全て除梗された果実は昔ながらの木製の発酵槽でアルコール発酵を開始。樽熟での新樽の割合は低く例年2割から3割、グラン・クリュでも多くて4割までという具合。テロワールにプラスして年毎の自然な表情を引き出すことに腐心している。
12ヘクタール以上の広さがあるドメーヌだが、そのうちの10ヘクタールをミュジニーとボンヌ・マールが占める。10.7ヘクタールの広さがあるミュジニーは北からレ・ミュジニー、レ・プティ・ミュジニー、それにラ・コンブ・ドルヴォーの3つのリュー=ディからなるが、ヴォギュエは、レ・ミュジニーのほとんどとレ・プティ・ミュジニーの全てを所有し、アペラシオンの7割近くを独占するという、このグラン・クリュ最大の大地主。ボンヌ・マールも最もシャンボル寄りに区画を所有するが、その個性はミュジニーとは大きく異なる。高いところで奏でられている響きにしっかりとした低音がバックを支え、繊細さここに極まれり、といった感のあるミュジニーに較べると、まるみがあり地に足のついたうまみが感じられるボンヌ・マールはそのスケール感、複雑さがより分かりやすいグラン・クリュといえる。
ドメーヌで所有するのは、ミュジニーとボンヌ・マールにプルミエ・クリュのレザムルーズ、それにヴィラージュのシャンボル=ミュジニーだけ。しかし現在リリースされている銘柄にはシャンボル=ミュジニーのプルミエ・クリュやブルゴーニュ・ブランなどがある。これはグラン・クリュのミュジニーをデクラッセしたワインたちで、シャンボル=ミュジニーのプルミエ・クリュはミュジニーの若木――樹齢25年に満たないぶどう樹がプルミエ・クリュとなり、所有するミュジニーの区画の半分弱がそれとしてリリースされている――からつくられ、同じくブルゴーニュ・ブランは10年ほど前に植え替えられたミュジニー・ブランの区画のシャルドネ種からのワイン。
以上輸入元資料より抜粋
シャンボル・ミュジニー[2006] ※ジャパンインポートシステム輸入 ―以下リアルワインガイド24号より抜粋― ふっくらした花の香りがまず。そしてほのかな大地香に美しいミネラルのいい香り。甘く、酸もあり、心地良い苦味とともに味に立体性がある。タンニンは極めて滑らかで、複雑性もあってかなり美味しい。ヴォギュエ的厳格さというよりも、ふんわりした温かさのあるシャンボル・ミュジニー。気難しさは一切ない。(今飲んで89+ ポテンシャル90+) 750ml |
■ 生産地:フランス、ブルゴーニュ地方
■ 味のタイプ :赤・フルボディ
■ アルコール度:13%
■ ブドウ品種 :ピノノワール100%
■ 平均樹齢 :年
■ 平均年間生産量 :本
シャンボル・ミュジニー1er[2006] ※ジャパンインポートシステム輸入 ―以下リアルワインガイド24号より抜粋― グッと集中した見事な香りは、エレガンス、優しい甘さ、温かさとクールさが同居した複雑なもの。口に入れるとメチャ旨い。バランスが良く、焦点が定まり、果実と大地の風味、そしてミネラルが混然一体となっている。液体はミネラリーなので心地良い緊張感があり、ながら全体い温かさがある。決してがっしりした構造ではないけれど、全体を覆うエレガンスは半端じゃない。(今飲んで91 ポテンシャル92) 750ml |
■ 生産地:フランス、ブルゴーニュ地方
■ 味のタイプ :赤・フルボディ
■ アルコール度:13,5%
■ ブドウ品種 :ピノノワール100%
■ 平均樹齢 :年
■ 平均年間生産量 :本
シャンボル・ミュジニー[2004] ※ジャパンインポートシステム輸入 ―以下リアルワインガイド17号より抜粋― 少し過熟したような甘い香り。口に含むとタンニンがやや多めかとも思ったが、しっかりとした甘酸っぱさに包まれて、それはたまらなく美味しい。村名にして品の良さや上質感に偽りはなく、きれいな液体はきれいな骨格を描き出す。そんな美味しいという気持ちに嘘はない。「ヴォギュエ」というだけで少々血圧が上がりぎみになられる方々がいることも、なんとなく理解はできるし。でも普通には手が出せませんよ、高すぎて。高嶺の花「ヴォギュエ」様は、やはり遠い存在だ。(今飲んで90 ポテンシャル90+) 750ml |
■ 生産地:フランス、ブルゴーニュ地方
■ 味のタイプ :赤・フルボディ
■ アルコール度:13%
■ ブドウ品種 :ピノノワール100%
■ 平均樹齢 :年
■ 平均年間生産量 :本
ボンヌ・マール[2004] ※ジャパンインポートシステム輸入 ―以下リアルワインガイド17号より抜粋― 色調はそれ程強くありませんが、人懐っこいイチゴのフレーバーから始まり、ポジな香りの宝庫は疾走し刺激的であり続けます。スパイスが顔を出したところで口に運ぶと冷たく柔らかい濃密な味に出会いますが、やや軽めでヴォギュエマジックは薄く感じます。しかし落ち着きや貫禄はさすが見事で、口の中での変化は楽しめるの一言であります、が、高騰し過ぎた価格はいかがなものでしょうか?時代と共に色褪せぬ事を祈りつつ、シェフには鵞鳥(ガチョウ)のフォアグラのソテー長芋添えバルサミコソースを作ってもらいました。(今飲んで92 ポテンシャル94) 750ml |
■ 生産地:フランス、ブルゴーニュ地方
■ 味のタイプ :赤・フルボディ
■ アルコール度:13,5%
■ ブドウ品種 :ピノノワール100%
■ 平均樹齢 :年
■ 平均年間生産量 :本
ミュジニー キュヴェ・ヴィエーユ・ヴィーニュ[1994] ※ジャパンインポートシステム輸入 750ml |
■ 生産地:フランス、ブルゴーニュ地方
■ 味のタイプ :赤・フルボディ
■ アルコール度:13%
■ ブドウ品種 :ピノノワール100%
■ 平均樹齢 :年
■ 平均年間生産量 :本