ペレス・クルス
ペレス家は、電力会社のCGE、ガス会社GASCOなどを経営する、チリの主要企業のオーナーです。その中で、ワイン造りは、自分たちのファミリーネーム「ペレス クルス」を付けた唯一の事業です。「ワイン造りは、私たち家族にとって大切なものだから、自分たちの名前をつけた。他の事業とは思い入れが違う。」
1963年に最初の農地を購入してから時は経ち、90年代に入り、葡萄を植える計画をたて、‘94年に最初の苗木を植えました。当初、葡萄は他へ売っていたのですが、その頃からペレス クルスの葡萄の評判は良かったので、自分たちで瓶詰めしようと決意し、それから約6年間、ワイナリー運営について学びました。2001年にワイナリーが完成、2002年がファーストヴィンテージ。当初、27haからスタートした畑は、現在では210ha(内160ha植樹済み)までになっています。160haの内訳は、カベルネ ソーヴィニヨン69%、シラー9%、メルロ8%、カルムネール7%、コット5%、プティ ヴェルド1%、その他1%です。ペレス クルスのロゴに描かれているのは、葡萄畑を一望できる場所から見た風景です。現在、アンドレ ペレス(左写真)が社長、ワインメーカーは、2002年から関わっているジャーマン リヨン(右写真)、コンサルタントはチリのオーガニック栽培の権威、アルバロ エスピノーサが務めています。
独創的な外観をもつワイナリーの設計は、4人の建築家のコンペティションで決めました。選んだ理由は、自然を感じさせる木を使った設計であること、外観が葡萄の枝を思わせるようにデザインされていること、そして、タンクやセラーが効率よく配置され機能的であったためです。セラーは、重力に逆らわずに醸造ができるように設計されています。
最初に葡萄を植えた際、60ヶ所に穴を掘って、断面を見ながら、どの葡萄がその土壌に適しているのかを調査しました。また、従来からこの土地で葡萄を栽培していた人々の経験談も参考にしたそうです。現在は、地面にセンサーを差し込んで土壌の調査を行なっています。すでに葡萄が植えられている160haを、このセンサーで再度調べたところ、6ha分だけメルロをカルムネールに変更した以外は、土壌との適性はぴったりでした。また、現在の植密度は3,200本/haですが、これを徐々に6,250/haの密植にしていく計画です。葡萄の栽培には、病気の予防に硫黄を使うのみで、農薬は使用していません。土壌の調査は専門の業者に依頼し、その結果を参考にしながら、収穫時期の計画を立てています。収穫は早朝に全て手摘みで行います。一番葡萄の温度が下がるのが夜ではなく日の出の時だからです。
発酵のための酵母は、全て人工酵母を使用しています。偶発酵母はリスクが高く、発酵が不完全なこともあり、品質を重視する上で、人工酵母の方が優れていると考えているためです。ワインはまず、最上級のケレンのために一番良いタンクをブレンド、次にリグアイ、そして各リミテッド エディション、カベルネ ソーヴィニヨン レセルバという順番で行い、残りの10%は他へ売ってしまいます。
「2002年や2003年ヴィンテージと味のスタイルが変わったように感じますが、どうですか?」と尋ねたところ、ワインメーカーのジャーマン リヨンは、「いくつかの理由があって、味のスタイルが変わりました。私達も経験を重ねたし、葡萄も樹齢を重ねました。2003年頃までは100%新樽にこだわっていました。今思うと、それは誰もがやりたがるし、やっているスタイルでした。私はあちこちで同じ味のワインを見つけてしまったのです。フランスから輸入した苗を使ってフライング コンサルタントの下、同じ醸造方法で造られたワイン・・・。私達は、そうではなく、樽だけではないフィネスが感じられ、個性を持ったワインにしたいと思いました。この土地を知れば知るほど、スタイルを変えて良かったと思います。」と答えてくれました。
以上輸入元資料より抜粋
「デカンター」95点!「ワイン王国」5つ星! ペレス・クルス カベルネ・ソーヴィニョン レゼルバ[2015] 葡萄は全て手摘みで収穫され、ステンレスタンクで発酵させた後、新樽と1〜3年樽を各25%(65%アメリカン オーク、35%フレンチオーク)を使い12ヶ月間熟成。熟したレッドベリーとスパイスのアロマは、ドライフルーツやバニラの風味をより一層引き立て、力強いタンニンがありますが後口はとてもスムーズです。アルト・マイポの特徴でもあるローズマリーやラベンダーを思わせる風味がこのワインからも感じられます。 ―以下リアルワインガイド48号より抜粋― 実はこのワインは2回試飲した。1回目の試飲時はグラスに顔を近づけた途端に「おっ!」と声が出るほどの完璧なブショネ。ここまで見事なブに出会うのは久々で、テイスター全員で思わずニンマリ。で、2回目はもちろん正常。「私、カベルネですから」とありのままの姿を見せてくれる果実味の潔さがとても気持ちイイ。明るくてハツラツとしていて、奥には甘みもあって、高級感とは無縁だけどとにかく美味しいので、誰にでもオススメできる。(今飲んで87+ ポテンシャル88)※掲載ヴィンテージは2012年 750ml |
■ 生産地:チリ、マイポ・バレー
■ 味のタイプ :赤・フルボディ
■ アルコール度:13,5%
■ ブドウ品種 カベルネ・ソーヴィニョン主体
■ 平均樹齢 :
■ 平均年間生産量 :