マルセル・ラピエール
フランス自然派ワインの巨匠、マルセル ラピエール。彼は、現在「自然派」と呼ばれるワインの礎を築いた人物であり、ボジョレーをはじめフランス各地で、彼の影響を受けた自然派生産者が活躍しています。中でも今やブルゴーニュを代表する醸造家の一人であるフィリップ パカレは、彼の甥にあたる事も広く知られています。しかし、「自然派ワインの巨匠」という大看板以前に、モルゴンの地、ひいてはボジョレーの地に深く根ざした素朴で伝統的な生産者であることも忘れることはできません。3世代にわたってモルゴンでワイン造りに携わり、この土地の個性を表現することに努めてきたラピエール家は、その歴史と経験に裏打ちされた手法でモルゴンの、そしてボジョレーのテロワールを描き出します。
ヌーヴォーに代表される庶民的ワインの代表でもあるボジョレーは、早飲みでフレッシュさが特徴とされ、一般的に品質を語る物ではありませんでした。しかしラピエールのボジョレーは、そのピュアな味わいと、繊細かつ濃密で、しかも熟成する事でより一層の魅力を増す、常識を遥かに越えるものであり、新しいボジョレーの世界を切り開きました。名実ともにボジョレーのワインを代表し、自然派ワインをも代表するマルセル
ラピエールのワイン。彼のワインを飲んで、真に美味しいボジョレーの存在を知り、自然派ワインの意義と、本当の素晴らしさを初めて感じたという人が日本にも多くいるというのも頷けます。それだけの魅力と実力を持った生産者である事は、言うまでもありません。
自然派醸造家の系譜を辿ると、ラピエールやパカレの師匠には、故ジュール ショヴェという学者がいます。ショヴェ氏が造っていたボジョレーは、彼らにとっては今も記憶に残る最上のワインであったそうです。しかしその味をただ真似るのではなく、彼ら自身の哲学によって最高のボジョレー、すなわちその土地の個性を表現する素晴らしい味わいに仕上がった時、かつてのショヴェ氏のボジョレーをふと思い起こさせる事があると言います。これが恐らく、彼らにとっての原点となる、本物のボジョレーなのかも知れません。ラピエールは、その村や畑ごとの酵母にこだわります。ワインに本当の個性やテロワールを映し出すには、とても大事なものだからです。その為に畑では出来る限り自然な農業を行い、自然環境やその中にいる微生物を大事にしています。その自然酵母によって健全なブドウを発酵させる事で、人々の心を動かすほどの素晴らしいワインが生まれるのです。
栽培においては、その土地の個性を十分にいかす為に、化学肥料や除草剤、殺虫剤などを用いません。健全で質の高いブドウを得る為に1981年からビオロジックによる栽培を行っており、収穫においては完全な手作業を実践しています。この事は、安価で大量生産型のワインが当たり前となってしまったボジョレーにおいては、割の合わない手間のかかる作業と言えます。しかし、ドメーヌの哲学、想いを表現するためには無くてはならない重要なプロセスです。収穫されたブドウは、印象的な天井画が描かれた醸造所に運ばれ、果皮などに付着する自然酵母の働きによって発酵させます。セミ
マセラシオンカルボニックを採用し、じっくりと時間をかけて果汁がワインとなっていくのを見守ります。その後、古樽に移し澱とともに熟成を行います。醸造における全ての過程で、酸化防止剤となる亜硫酸は用いません。瓶詰めはノンフィルターで行われ、顧客の要望に合わせて若干の亜硫酸を添加します。
近年、ラピエールのワインに「新たなる輝き」を感じます。3世代にわたってバトンをつないできたラピエール家にさらなる新世代の息吹が加わりました。現在ドメーヌでは、マルセル
ラピエールの長男であるマチュー ラピエールが、マルセルの右腕となって栽培や醸造にその手腕を発揮しています。深い哲学と経験を持ったマルセルと若くエネルギーに満ちたマチュー、この二人の力によってマルセル
ラピエールのワインはより一層の輝きを放ち、「自然派ワインの原点」と呼ぶにふさわしい純粋で緻密な味わいのワインとなりました。マルセル ラピエールは、現代においての「巨匠」であるのみならず、次の世代においてもリーダーと呼べる生産者である事を確信できます。
以上輸入元資料より抜粋
VdF レザン・ゴーロワ[2022] ワイン名は「ゴール人のブドウ」を意味し、全て「モルゴン」の区画のブドウで造られるセカンド的な位置づけの、言わば「プチ・モルゴン」とも言うべきキュヴェ(気軽に楽しめるスクリューキャップ)。花崗岩土壌に植えられた平均樹齢20年という若樹のガメイから造られ、栽培は化学肥料や除草剤は全く使用せず、亜硫酸や培養酵母も不使用でセミ・マセラシオン・カルボニックにて醸造。約2か月間タンクで熟成させた後、ノンフィルターで瓶詰。ラピエールの入門編として最適なこのキュヴェは、頭を悩ませて味わうのではなく、陽気に気楽に飲むことを目的として造られました。「モルゴン」のクリュ内で栽培されたガメイを使用していますが、若樹のため収量が多く、その結果ジューシーで鮮やか、アルコール度数は低めで遊び心のある果実味が特徴です。2年振りのリリースとなる今回は、収穫したてのイチゴの様な濃厚でフレッシュな香りが爆発的、正にラピエールの本来のスタイルとも言える由緒正しいボジョレー。2020は締りのある強固なスタイルでしたが、2022は果実の凝縮と軽やかなチャーミングさを兼ね備えた如何にもボジョレーと言った味わい。甘ったるいダレた味わいではなく、丸く優しい包み込む様な果実味で、余韻も長く口の中で果実がどんどん膨らんでいきます。透明感が有る果実味で、全く引っ掛かりの無いその喉ごしは、少し冷やし目で気軽に飲むのに最適なワイン。ちなみにラベルのデザインは、著名なイラストレーターである「モーリス・シネ」氏。 750ml |
■ 生産地:フランス、ブルゴーニュ地方、ボージョレ地区
■ 味のタイプ :赤・ミディアムボディ
■ アルコール度: 12,5%
■ ブドウ品種 : ガメイ100%
■ 平均樹齢 :20年
■ 平均年間生産量 :
ル・ボージョレ[2022] ランシエ (モルゴン村の隣に位置するコミューン)にある花崗岩を主体とするラピエール家所有の3つの区画(トータル2.5ha)のガメイから造られた赤。ブドウの平均樹齢は70年で、SO2を使用せず10~21日間のセミ・マセラシオン・カルボニック後、約6ヶ月間タンクで熟成させてから瓶詰め。通常この区画は「レザン・ゴーロワ」に使用されていますが、大幅な減収となった2021年と言う特殊なヴィンテージを考慮して、代わりにこのキュヴェを特別に醸造(「レザン・ゴーロワ」と違い春に瓶詰め)。今回、マチュー&カミーユ兄妹が2021年の想像以上の出来に納得し、再度リリースされることになりました。鮮やかで濃いガーネット色の外観で、花壇にいるようなフローラルな香り。徐々に野生のラズベリー、ブルーベリー、ダークチェリー等の小粒な果実の香りが膨らみ、時間と共にどんどん様々な香りが溢れます。味わいは果実の凝縮感が感じられながらもエレガントな仕上がりで、暑い年に感じられるジャムの様なニュアンスは無く、程よい果実の膨らみとちょっとしたスパイスやマッシュルームの様なキノコのニュアンスも感じられます。柔らかくジューシーな味わいで、肉付きのある酒質ながら滑らかでスルスルと喉を通るしなやかさ。豊かな果実味に程よい酸とミネラルの見事なバランスが素晴らしく、ラピエール家の底力を感じられる1本です。 750ml |
■ 生産地:フランス、ブルゴーニュ地方、ボージョレ地区
■ 味のタイプ :赤・ミディアムボディ
■ アルコール度: 12,5%
■ ブドウ品種 : ガメイ100%
■ 平均樹齢 :70年
■ 平均年間生産量 :
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モルゴン[2019] 多くの自然派ワイン生産者に影響を与えたマルセル・ラピエールの看板ワイン。多くの人に親しまれ、自然派ワインを扱うあらゆるビストロやショップで取り扱われています。赤い果実の華やかな芳香に満ちていて、口に含むと何のひっかかりもなく喉の奥に消えていくなめらかな口当たり。熟した果実の旨みやエキス分が豊かでブドウ本来のピュアな果実味の美しさを感じることができます。2019年はガメイという品種の可能性を考えさせられる1本で、更に数十年先を期待させる仕上がり。フレッシュな赤系ベリー香が鼻孔を直撃し、次第に花畑にいるかの様なフローラルな香りに包まれます。果実主体の味わいに立体的な酸が支える構成が素晴らしく、その奥行きのある味わいに身も心もメロメロ。果実・酸・ボディと各々の構成がしっかりしていますが、全体的に明るく重心が上であり重々しくは感じさせません。偉大な年であると思わせる液体でガメイのポテンシャルを最大に感じさせる今年のモルゴンは、ガメイ好き必飲の1本です。 ※一時期、亜硫酸を極少量添加したキュヴェと無添加のキュヴェの両方が流通していましたが、現在は無添加のキュヴェのみが輸入されています。 750ml |
■ 生産地:フランス、ブルゴーニュ地方、ボージョレ地区
■ 味のタイプ : 赤・フルボディ
■ アルコール度: 13,5%
■ ブドウ品種 : ガメイ100%
■ 平均樹齢 :
■ 平均年間生産量 :
良年だけの限定生産! モルゴン キュベ・マルセル・ラピエール MMXV[2015] モルゴンの区画に植わる樹齢の古いガメイを選びぬき、個別に醸造・熟成し、最終的にはその味わいのポテンシャルをみて瓶詰めを判断する、良年のみリリースされるマルセル・ラピエールの最上キュヴェ(近年では09年、11年、14年にリリースされました)。2015年は、これまでリリースされたキュヴェ・マルセル・ラピエールと比較しても強健で重厚な味わい。まさに長期熟成向けのヴィンテージで、10年と言わず、20年、30年と熟成可能なヴィンテージ。 750ml |
■ 生産地:フランス、ブルゴーニュ地方、ボージョレ地区
■ 味のタイプ :赤・フルボディ
■ アルコール度:14%
■ ブドウ品種 :ガメイ100%
■ 平均樹齢 :
■ 平均年間生産量 :
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モルゴン サンスフル[2012] その土地固有の自然酵母のみで発酵を行うラピエールのワインは、その酵母を発酵の最後まで活かすため、ブドウの収穫から醸造・熟成の行程において、亜硫酸(酸化防止剤)を一切使っておりません。そしてワイン本来のニュアンスを崩さないように、無添加での瓶詰めが理想であると考えています。しかし通常は市場流通時のリスクを回避するため、瓶詰めの前に極少量の亜硫酸を添加しています。このワインはその極少量の添加も行わない無添加のキュヴェです(表のラベルは通常のものと全く同じですが、バックラベルに「N」と記載されています)。 750ml |
■ 生産地:フランス、ブルゴーニュ地方、ボージョレ地区
■ 味のタイプ : 赤・フルボディ
■ アルコール度: 12,5%
■ ブドウ品種 : ガメイ100%
■ 平均樹齢 :
■ 平均年間生産量 :
ル・カンボン・ボージョレ[2008] このワインは「キュベ・マルセル・ラピエール」同様ブドウの出来が良かった年だけに生産される限定ワイン。只こちらはアルコール度数がぎりぎりボジョレーの基準を越えていないので、ある意味究極のボジョレーとも呼べます。(勿論品質も並のボジョレーとは一線を画す別物ですが・・・)2000年のファーストリリース以来まだ4回しかリリースしておらず、この調子だと次のリリースは何時になるかわかりませんので、ファンの方は是非ゲットして下さい。 750ml |
■ 生産地:フランス、ブルゴーニュ地方、ボージョレ地区
■ 味のタイプ : 赤・フルボディ
■ アルコール度: 14%
■ ブドウ品種 : ガメイ100%
■ 平均樹齢 :
■ 平均年間生産量 :
シャトー・カンボン・ボージョレ[2007] 究極の有機農法「ビオディナミ」の先駆者にして「伝説のワイン100」にボジョレーから唯一入る生産者「マルセル・ラピエール」のスタンダードワイン。バナナなどの熱帯性果実に、微かに土を含んだチェリーやラズベリーの自然な香り!滑らかなタンニンと果実味に負けない酸がバランス良くホッとさせられるワイン。人工的な味は全く存在しない精進料理のようなワイン! 750ml |
■ 生産地:フランス、ブルゴーニュ地方、ボージョレ地区
■ 味のタイプ : 赤・ミディアムボディ
■ アルコール度: 12,5%
■ ブドウ品種 : ガメイ100%
■ 平均樹齢 :
■ 平均年間生産量 :
シャトー・カンボン・ボージョレー・ロゼ[2006] 今やワイン愛好家の中で知らない人の方が少ない位有名になった「マルセル・ラピエール」。しかしその中にロゼが有ったということを知っている人は以外に少ないかも。そもそもボジョレー自体にロゼが認められてるの?という方も多いのでは。このワインは定番のシャトーカンボンの発酵期間を短くし、ロゼとしての色合いが付いた頃、ワインをタンクから抜き取る、所謂「セニエ」という方法で造られます。可愛らしい色合いとフレッシュな味わいは食前酒としては勿論、料理の選択肢が広いので重宝すること間違いなし!勿論自然栽培・自然醸造です。 750ml |
■ 生産地:フランス、ブルゴーニュ地方、ボージョレ地区
■ 味のタイプ : ロゼ゙・辛口
■ アルコール度: 12,5%
■ ブドウ品種 : ガメイ100%
■ 平均樹齢 :
■ 平均年間生産量 :