オレリアン・ヴェルデ
2004年の初訪問から5度目の夏2009年6月、ブルゴーニュのブドウ畑が輝く緑を湛える中、オレリアンとアランが笑顔で迎えてくれました。コートドー
ルの中心ニュイサンジョルジュ村から西に約10キロ、山道を走り抜けるとARCENANT(アルスナン)村に到着します。1604年からこの地に住むヴェルデ家は、父アラン・ヴェルデが1971年よりビオロジック農法を開始し、ブルゴーニュの中でも自然栽培の先駆者として知られています。オレリアンは18歳からの3年間、モーターバイクレースのフランスナショナルチームの選手として活躍していましたが、危険がつきまとう仕事であったため以前から興味のあっ
たワイン造りに舵取りを変更、22歳で成人向けのワイン育成コースに入門します。ビオロジックさらにビオディナミ農法を学ぼうと研修先に選んだのは、ギィ・ボサールとマルク・アンジェリ、父から受け継いだ伝統をベースに更なる自然志向を深めて来ました。アランのブドウで初めて醸造を手がけたのが2003年、翌年には引退を決意したアランから、オート・コート・ド・ニュイの畑とアルスナンの醸造所が受け渡されました。
2004年ヴィンテージで鮮烈なデビューを果たしたオレリアンは、ブルゴーニュの若手造り手の中でも実力派として認識されるようになり、多くの愛飲家の期待を一身に受けワイン造りに邁進してきました。2008年にはブドウ購入が大変難しいとされるヴォーヌロマネの畑を幸運にも引き継ぐ機会に恵まれるなど、コートドールでのワイン造りにも情熱を傾けています。「私より強い自然志向」と父のアランも太鼓判を押すオレリアンは、畑には自然肥料しか与えないことで土中の生命を活発化させ、そこから生まれるブドウの視覚、聴覚、味覚など官能特性を引き出しワインに表現しています。高収量を避けるためブドウ樹は短く剪定、初夏には太陽の光を取り込むため部分的に葉摘みを行い、厳選した選果のもと手摘み収穫します。2008年には最適な衛生状態を保つため醸造所を新装しました。温度管理付のステンレスタンクを導入し、キュヴェゾン(浸漬)時のmout(果もろみ)の温度を完璧に保つことを重要視しています。キュヴェゾンで色とタンニンを最大限に抽出する代わりに、タンニンが出過ぎないようピジャージュは控えています。これらの作業は目が離せないので時間を要しますが、むやみやたらなブルゴーニュワインの価格高騰を疑問視するオレリアンは「だからこそ品質と価格が見合ったワイン造りをするべきだ」と言います。醸造所の投資額は目を見張るもので、覚悟を据えたオレリアンの眼差しは2007年に会ったときよりも数倍光り輝き、また揺るぎないものへと変化していました。繁忙期に家族の手を借りるぐらいでほとんどの作業を一人でこなし休みなしに働くオレリアン。伝統と革新を地で行く、これからがますます楽しみな生産者です。肩肘張らない自然体の完成度で、綿密なミネラル感、伸びやかな酸、上品な味わいが絶妙のシンフォニーを奏でます。伝統的なオート・コート・ド・ニュイは言うまでもなく、ニュイ・サン・ジョルジュを代表とするコートドールのプリミエクリュと村名ワインは、その年々の気候条件を考慮し、それぞれのテロワールのキャラクターを見事に表現しています。
以上輸入元資料より抜粋
ブルゴーニュ・ルージュ アン・リュトゥニエール[2021] ヴォーヌロマネ村の国道を挟んで東側にある畑「アンリュトゥニエール」のピノ・ノワールを除梗後、ステンレス・タンクで醸しプレス、20日間発酵し228Lの古樽でマロラクティック発酵・熟成。鮮やかで淡いガーネット色、フランボワーズやプラム、アメリカンチェリーの香り、丸みのあるアタックは綺麗に拡がり、上品でしっとりとした印象です。 ―以下リアルワインガイド83号より抜粋― おー、さすが21年。繊細でエレガントな年だから奇跡のヴィンテージ18年にあったナチュラルワイン香がほんの少し出ている。これはオレリアンが意図したというよりヴィンテージキャラのおかげで、隠れていたナチュラル感が出ていると思う。これは21年ラルロと一緒だ。口に含むとなんちゅー美味しさか。ACブルからしてうま味の塊だ。そしてエレガントだけど液体が強い。こういう21年は珍しい。薄旨系だけど力のある液体というのも。素晴らしいです。(今飲んで90 ポテンシャル91) 750ml |
■ 生産地:フランス、ブルゴーニュ地方
■ 味のタイプ :赤・ミディアムボディ
■ アルコール度:13%
■ ブドウ品種 :ピノ・ノワール100%
■ 平均樹齢 :47年
■ 平均年間生産量 :本
オート・コート・ド・ニュイ・ルージュ オー・プリュレ[2020] アルスナン村に1971年から所有する区画「ル・プリュレ」の粘土石灰土壌で育つピノ・ノワールを除梗し、スミ・マセラシオン・カルボニック後プレスし発酵、古樽で15 ヶ月熟成。色調濃く綺麗な紫ガーネット色、フランボワーズやイチゴ、森の中の香り、果実味豊かで透明感のある味わいに、果実由来の上品な甘味と良質なブドウの旨味がしっかりと表現されています。 ―以下リアルワインガイド75号より抜粋― 試飲時は少し閉じ気味。しかし、充実した赤黒果実と複雑な大地香が液体のしっかりした目の詰まり感を表すニュアンスを伴って漂っている。口に含むとACブルで書き忘れたけど共に塩っぽい。レジョナルクラスでこれほど塩気を感じるワインはそうそうないし、美味しいことこの上なし。酸度はACブル同様で、更に滑らかさが増して味と液体の質感の密度感が増す。これも素晴らしいオート・コートだ。(今飲んで90 ポテンシャル90+)※掲載ヴィンテージは2019年 750ml |
■ 生産地:フランス、ブルゴーニュ地方
■ 味のタイプ :赤・ミディアムボディ
■ アルコール度:13,5%
■ ブドウ品種 :ピノ・ノワール100%
■ 平均樹齢 :40年
■ 平均年間生産量 :本
ニュイ・サン・ジョルジュ[2014] 砂混じりの粘土石灰土壌に植わるピノ・ノワールをステンレスタンクで発酵、樫樽に移しマロラクティック発酵を経て熟成しました。少々茶を帯びたルビー色の外観からは、ラズベリーやフランボワーズのアロマを感じます。柔和なテクスチャーですが高貴でアッパーなストラクチャー、イチゴ系の甘酸っぱさを包括しつつナッティーな香ばしさとふくよかな果実の透明感が細く長く続きます。 ―以下リアルワインガイド54号より抜粋― これもナチュラル感たっぷりの梅きのこがあり、それもアザとさは一切なく、あくまでもどこまでもナチュラルないい香り。口に含むと何なんですかこの味わいの総量は。単に味がクッキリしているとか、味の乗りがいいとかを超えている。そしてその味わいの豊かさだけではなく、村名クラスとして液体の密度感と質感の良さも尋常じゃない。ミネラルで口中に粘りつくような粘性があり、ツヤがあり、高級感がある。とんでもない生産者がこんなところにもいた。(今飲んで91 ポテンシャル92) 750ml |
■ 生産地:フランス、ブルゴーニュ地方
■ 味のタイプ :赤・フルボディ
■ アルコール度:13%
■ ブドウ品種 :ピノ・ノワール100%
■ 平均樹齢 :35年
■ 平均年間生産量 :本
ジュヴレ・シャンベルタン[2014] 粘土 石灰土壌のピノ・ノワールをセメントタンクで発酵、オーク樽でマロラクティック発酵後16ヶ月熟成。透明感のあるバラ色、甘くとろけるような杏のシロップ漬けやカラメル、醤油、腐葉土などの多様な香り、ふくよかな果実味を感じつつ繊細な味わいです。持続するエレガントな余韻をお楽しみ下さい。 ―以下リアルワインガイド54号より抜粋― ジュヴレならではの黒い風味と力強さが加わったメチャクチャいい香り。そして当然ナチュラルで美しい。この魅惑的な香りだけで「参りました」が出てしまう。口に含むと凄かったN・S・GやV・R同様の、いやそれ以上の味の集中感とグリップ力、そして液体に宿るエネルギーだ。滑らかで、柔らかく、エレガンスパワーに満ちたグラン・クリュクラスの品質にある村名ワイン。お金があれば全量買い占めたい。(今飲んで92 ポテンシャル93) 750ml |
■ 生産地:フランス、ブルゴーニュ地方
■ 味のタイプ :赤・フルボディ
■ アルコール度:13%
■ ブドウ品種 :ピノ・ノワール100%
■ 平均樹齢 :40年
■ 平均年間生産量 :本